楽響



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秋本栖

春先から四方八方に動いていた己の足を止め、
机上から色気づく葉の下の鱒族の繁栄を想うこの季節。

しかし、いざ向かえ通年解禁、本栖湖。

さて、丁度この時期ヒメマスが始まる。
昨年それらが入れ食いになる時間があることがわかったが、
狙うはその周りをたむろしているだろうと勝手に妄想している、ビッグワンである。
というわけで
ヒメマス本体、あるいはその撒き餌に寄ってくるであろう
沖の底に潜む回遊族を狙ってみたものの、
底を取って間もない瞬間にヒメマスが掛かってしまう。
飛距離と沈下速度を満たすための重量級スプ−ンにもかかわらず・・・.
それはそれで楽しいのだが、サイズにして一尺にも満たないため、
合わせの後は、はるかかなたからただ巻きで寄ってくるのみである。
結局、15分程度の間だけ、入れ喰いとなる...。
周りに回遊族はいないのだろうか?
結局目の前の駆け上がり付近でバシャバシャ暴れるレインボウがいたため、
この野郎!とマイクロスプーンで攻めれば即バイト!
しかし針が小さく、竿がビンビンの為、弾く。

こうして小物達で楽しんだ後に訪れるのが焦燥感である。
一体どう攻めればよいのか?

それを考え、また次回に実行し、また焦燥感に襲われる。
いと楽し、ブルーバックを育てる湖よ!
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by rakkyouh | 2009-10-26 23:16

泡沫始末(ウタカタシマツ)

過去の良い時を思い出し、反芻し、喜びを味わえる期間はごく僅か。
従って過去より良いものを得る為に、未来の作戦を練るのである。

例えば、「走馬灯の様に」という言葉があるが、このとき、
過去の様々な出来事を思い出すと聞く。
死を意識した瞬間の脳の働きを表した言葉であるらしいが、
明らかにその瞬間の脳の時間感覚は、一般の人々に対してコマ送り、
一般のたった一秒が、走馬灯オンエア中には一秒が十秒であるはずだ。

ということは、時間は脳の感覚がコントロールするのか。
意識的なところで言えば、
行列にならんでいたり、苦痛な事柄が続けば、一秒は長い。
対して我々釣り人が魚を掛けた瞬間から始まる貴重な戦いの時間は、
勝利した場合に限り、とても短かったと感じる。

この時間的な感覚を、脳は脳自身で感じているのであろうか?
脳が一般的に決められた一秒を一秒として受け入れていなければ、
苦痛だらけの人で考えれば、一般的な一秒が、彼には十秒であり、
一般的な1分の間に、彼は10分生きたことになる。
結果、独立した個体である彼の脳的には、歳をとるのが平均よりも早くなる。

逆もまたしかり。楽しい時間が増えれば、歳をとらない。

以上の無茶苦茶な理屈から短絡的に察するに、
楽しく生きている人は若く、苦労している人は老けている。
シチュエーション的に、仕事に趣味に燃えていれば、一般よりも若くなる。
逆に、つまらない、あるいは思い悩む生活は、一般よりも老ける。

我々釣り人は
たった一瞬の喜びの為に、長時間の苦痛を強いられる。
これは喜びと苦痛の掛け合わせとなり、
しかも、喜びは苦痛の多い分だけ大きくなるやっかいなものであり、
老けてから若返るという方程式である。

これは、一般的な事象にも当てはまり、
頑張った分だけ喜びが大きいという当たり前のことでもある。
では、頑張った後に、喜びがくる、
その辛い時間の老け度合いと、喜びを得た若返り度合いを統計し、方程式を作り、
人間色々いるけどこれくらいが妥当だろうと決めたものが所謂1秒であれば、
我々のように孤高を喜びとするストイック系釣り思考の持ち主は、
明らかに老けてしまっているはずである。

しかし老け度合いで見ると
そうでもないことは周囲を見渡せば明らかなことであるがため、
我々の喜び度合いも実は、一般よりも大きいのだ。

それがため、喜んでいる時の脳時間は一般よりもとてつもなく短く、
瞬間を若く生きてはおれど、
釣り上げた当時のことは脳時間が早過ぎてよく覚えていないのである。

以上から、
色々覚えていられるような事象であれば喜びは少なく、
泡沫のようであれば喜びは大きかったこととなるため、
「釣り上げた時のことはよく覚えていない」という泡沫的セリフを言って然るべき時は、
周りをビビらせるようなサイズを上げた時に限られる。

結果我々は、
己の泡沫度合いを計る為に、色々な情報で魚の大きさ記録をチェックする必要がある。

♫ この所作を「泡沫始末」とでも呼んで いと面白し 秋の夕暮れ。
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by rakkyouh | 2009-10-21 01:24

♫ DRAG SONG

昨年からの秋の釣りの風物詩、そして今の所釣り上げた中で最も全長のある魚、鮭。
今年も思いっきり鳴らすのである、普段あまり鳴くことの無いDRAGを。
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海から近かった昨年と異なり、今年はかなり上流の釣獲調査。
所謂、本流の渓流寄りといった所であろうか。
ゆったりした浅い流れの中、対岸のテトラの流芯を狙う。

意気揚々とスプーンを投じるが、厳しい!こうなったら色々試そうとラパラミノーをセット!
すかさず手前でヒット!おおー!跳ねる、みんなもっと見てみて!

しかし、よく見ると斑点のような・・、アメマスか!しかし、
こんな所にいるわけがなし!
巻く!おおー!斑点は鱗であった。
・・・・巨大なニゴイであった・・。貴様・・・。

気を取り直す。
周辺ではいかした延べ竿師にどんどん巨大な風物詩が地上にあげられて行く!
カモン!
派手なオレンジ色のスプーンを投入。
鮭は時合との戦いである。ひたすら投げ続ける。
と、オレンジスプーンを追う姿を確認、来い来い、・・・・よし!食った!丸見え!
ヒット!やっぱし来るね、鮭ちゃん!

しかし!想定外に外れる・・・。
合わせがゆるかったか・・・。

終了間際、待望のヒットは得意のスレ!
やはり鮭はスレに限る!鳴れDRAGよ!
流れに乗り、下流にくだって獲った相手はなかなか精悍な顔立ち!
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普段あまり曲がることのない竿を曲げ、
普段あまり鳴ることのないDRAGを鳴らしまくってくれた鮭さん。
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翌日も厳しかったが一尾と戦うことが出来、大満足の2日間であった。

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by rakkyouh | 2009-10-19 00:27


気品溢れる鱒族を求めて。自己満足型随筆集
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