楽響



カテゴリ:トラウト( 8 )


2017 中禅寺初詣

白い解禁日。
いろはの坂は途中から白化し
えいさと上りきれば当然のごとく、
湖面以外は白一色、無垢である。
白く透き通った夜は、まだ足りぬと言いたげに、空から白を撒き続ける。地の白と宙の白。
はたから見れば凍てつくようだが、実際はふわりと暖かい。
修行僧達が身支度を整える駐車場に着いたのは解禁前夜22:00。夜灯を灯しすでに竿を背負い出発するエリート僧達を見送りながら、麦酒をすすりつつ、仮眠。足りずにウイスキーを嗜み、酔いと、高揚に抑えられた睡魔との狭間に陥り、夢と現実が曖昧かつ朦朧とした意識の浮遊を楽しむ。
朝4時、出陣。
場所は決めていないため、山側に歩き、良さそうなところが空いていたら入る予定であった、しかし、気がつけば歩いて1時間。ここまで全て、僧達の夜灯が等間隔にたなびいていた。ようやく居場所を確保。開けたその場所は、絶好の場所には程遠いが、居心地は良い。相当端に追いやられたが、修行僧の多いことに、同じ感覚を持った者達が多くいることに喜びがふと沸き起こる。
と、同時に懐かしい花火の豪快な音が男体の麓に響き渡る。ここ5年間は自粛していたそうで、いざこれを聞けたということは、徐々にではあるが、この湖の回復する証であり、我々釣り人のみならず、鱒族にとっても喜びの音となったと思いたい。
さて、2017年の始まりである。
数投ごとに移動し、元気な鱒を探す。
フォール中、心地よいまでに無垢なアタリが竿先に現れる!ブラウンである。同じように2匹、40cm付近の者を手前で釣り上げる。やはり解禁日、冬眠開けの嬉しさがこみ上げてくる。反応がなくなったのを機に、遠投に切り替える。7:00付近、この湖の全ての活性が上がるプライムタイム。そのとき、着底と同時に巻き始めると、何かおかしい、着底ギリギリの食い上げであった。アタリなしで巻きと同時にかかる感じはレイクに多い。距離のあるところから追い、そのまま湖底スレスレで食いついているのだろう。いよいよ引きは強くなり、時折ドラグが鳴る。糸は強い。時間と共に期待が膨らむ。余裕を持ちたい意識とは無関係に息が荒くなってくる。果たして水面に現れ暴れる姿は70付近のレイク!自己記録サイズ、今日来て良かった!しかし、なんと最近の恒例、針のすっぽ抜け!アアア!
悠々とその鱒は深みへと戻って行った。
カエシはレギュレーションで禁止のため、潰してある。スポーツマンシップ。イギリスでは100年以上前から、釣りに対する姿勢として、自らにハンディーキャップを課す、餌ではない疑似餌を使うフライフィッシングを発展させ、優れた釣り文化、人物を排出してきた。バラシにより、ここでカエシを潰さなければよかったという思いが浮かぶのは、浅はかな俗人の自己記録への執着による強欲である。ここではスポーツマンシップの名の下に、鱒に対するハンディーキャップとしてのバーブレスレギュレーションが存在する。さて、真のジェントルマンに負けぬよう、極東のジェントルマンはどのように振る舞うべきであるか。ただその悠々と帰る鱒に拍手を贈り、見送り、次回の勝負に向けての精進プランを練るのみである。
鱒釣りの聖地。
訪れる人間もその場にふさわしく、高潔でありたい。
そうなりたい。
しかし
まだ高潔になりきれぬ我が心境は声には出さねど心で叫ぶ。
悔しー!
[PR]
by rakkyouh | 2017-04-03 22:08 | トラウト

桜鱒

PM21:00、仕事から帰り、そのまま出発。

AM6:30 赤川着。

川は暖かく、ほのぼのとし、ホケキョと鶯が鳴き、

岸沿いの流れには無数の桜の花びらが浮かぶ。

この季節感ある桜鱒という名は純粋で情緒があり美しいと思う。


さて、

AM10:00、四段、

隣でミノー使いがチラチラと見え隠れしていたが、1匹釣り上げたようだ。

風の向きが真逆に変化し、流れも海からの波が現れ、ベストの時合いだったのだろう。

こちらはそう思うとその後焦るばかりで結局何も起きず、その後眠くなる。


海方面に車を止め、釣り人を眺め、腹ごしらえをし、仮眠。

その後三段の少し下に入る。途中、四段の変化を味わおうと向かうも人で埋まる。

結局戻る。


潮時表をみると、次はPM2:30からの2時間、川が動きそうだ。

しかし時間を待ちながらもいつもの焦燥感に襲われ始める。

否、この時の忍耐こそが結果を変えるのだ。

回遊魚を釣るために、中禅寺湖で決めつけた一つだ。遡上魚も同様。

移動を決めた5秒後に、魚が通ることもあるはずだ。


いざ時合、風や川面が動き出す。

先ほど海方面を見たとき、ほぼ皆、ミノーを投げていた。

結果、こちらは今日の遡上鱒が見たこともないスプーンと心中だと決意する。


水中を流れる小枝が針に当たると、魚のアタリと酷似している。

しかもアタリが一日ないので、一体アタリはどういうものだったか分からなくなる。

不安になるが、とりあえず全ての小枝に必殺の合わせを入れる。


遠投し、沈め、そろそろ底波に入ったかと思われたとき、ゴリッゴリッという感触がある。

すかさず合わせる。何も起きず、巻く。

しかし、今回、手前3m迄巻いたとき、竿が突然、ギュッとしなり始める。

なんだこれは!明らかに魚である。

どこで掛かったのか、何が起きたのかさっぱりわからない。

すぐに強烈な引きに変わり、ドラグを緩めるのが一瞬でも遅れたら、どこかがハジけていただろう。

その後は、暴れると言うよりも行ったり来たりの綱引きのようになった。

何だかオカシイ。

何度も何度も繰り返す。ようやく魚が深みから現れる、何と何と!

尻尾から現れた!スレである…。動きの疑問が解決する。

不満丸出しの格好で取り込む。

複雑な気持ちだ。合わせを決めた感覚もなく、しかもスレ。

ただ、この魚はおよそ60cmの美しい桜鱒であった。

尻尾を引っ張ったことにより、体全体のラインによるダメージが皆無。

目を疑う美しさに一瞬見とれる。

針を外そうと、横に置いていたベストのペンチを取ろうと目を離したとき、

静かだった鱒は大きく暴れ、外れそうになかった針が小石の上に。

さようなら。

複雑な心境になる。

釣ったと言えない結果に逃げられる始末、対比で思い出のなかで大きく美しさを増す魚体。

良かったような悪かったような。

思い出に去り際に落ちた数枚の鱗を記念に残す。




再開。

自分の思う理想の戦いとは、流芯でアタリを得、

必殺の合わせをし、長距離のファイトを堪能することである。

対岸近くで先ほどから小魚が時々跳ねる。

ちょうどそちら側に人の姿がなくなったので、相棒チヌーク25gの出番である。

先程の葛藤を拭い去るため、青銀から赤金に色を代える。

ワンステップの助走つき遠投。川幅8割はいったろう、満足。

着水後すぐに巻き始める。

瞬間、無意識がアワセを入れた!最高の遠距離である。

引きを感じたときにはもう、アワセた意識は飛んでおり、覚えていない。

強い。

手元に伝わる動作のキレが凄まじく、竿先はかつてなくカリカリと動く。

理想通りの展開に嬉しさがこみ上げる。

意識の8割を魚に使い、妙だが、残りの2割はどんなアワセをしたか思い出そうとか、

テレビでみたサクラの引きとの比較とか、喜びを満喫しようといった意識に使っていた。


ようやく手前5mまで寄せる。


ここで前代未聞のショーが始まった!

目の前の魚が0,2秒で5mワープする感覚。

瞬間の横移動、跳び上がり、潜り、走り、消え、瞬時に現れる。

なんだこれは!

あまりにも強い。

隙をみて瞬時にドラグを緩める。

0,1秒でどれだけのトルクを噴出するかわからない。

一瞬でどこかがハジけそうな感覚。

そして、永遠に続く感覚。

一瞬、魚の顔を見る、幸い針の抜ける感じはない。

動きに追従するため、9,3ftの竿を、クライマックスの指揮者のように振り回す。

左手は一瞬で起きる多量の糸フケを高速で巻きとり、ハンドルノブのキャップは飛び出してくる。


長くすさまじい抵抗の後に、ようやく疲れ、竿の動く通りに寄ってくる。

デカイ。

網ですくう。さっきと同じ失敗がないように、深く入れる。

急いで岸に上げようとすると、魚が暴れる、飛び出した!

まてまて、両足を使い、なんとか水際で止める。

毎度ドキドキだ。網が浅いことに気付かされる。


魚を見る。目を疑う。

この魚は、なんとも不思議だが、サクラらしくない。

釣り雑誌で見る感覚や、先程の60付近のものと比べ、明らかに違う。

美しい、華麗、純銀の、等々の比喩は、

まるで人生をおとぎ話に例えたような、それを知った後に受ける違和感を感じる。

威厳、風格、勇猛、英知、重厚、鋭利、

ここまでの鱒を見ることは想像していなかったし、何かへの比喩にも困る。

69cm、胴回りの太さは大人の太腿ほどもあった。

f0167000_23101086.jpg
f0167000_23161127.jpg

このとき、

この川が何故これ程人を惹き付けるのかを理解する。

川の見え方がこれまでと一変する。

流れは雄々しく、神々しく、水は強く、空気が張りつめた。

姿勢を正す。


水に帰す。

この鱒は生きるべきだと即断できた。


古人が魚編に尊いと描いた気持ちへの共感が、これまでより一段、深くなる。

尊さは、山深い渓に住む清潔で華麗な姿を現したと同時に、

かつて人が狼を神と見立てた様に、崇拝的なまでの凄みをも含んでいたのだ。

f0167000_23183755.jpg

追記

「手みやげにもう少し小さいものを」と次の日も行ってみたが、

 川は普段のままであった。


[PR]
by rakkyouh | 2014-04-29 23:32 | トラウト

秋の夜長。

およそ釣り好きの読書子であれば、通る道は似かよるだろう。

釣りと文学、この連鎖を求めるにあたり立ち止まるのが

開高健である。

他の名を挙げれば井伏鱒二、幸田露伴、椎名誠、野田知祐、等々、様々であるが、

ずば抜けて開高文学は深淵で広大であり、宇宙的に世界を広げ、我が内面性に突き刺さる。

その作品に触れた瞬間に、

感服するのはその表現力、それを成し得た人間力である。

それまでの経験から出来上がった自己の

鼻っ柱の無根拠に強い、若い意識は崩壊し、

尻尾を巻いて逃げる、あるいは完敗といった感覚を思い知る。

それではその人間力はいかなる土台をして成し得たかを推し量るに

文中に現れる名だたる名士達の本を我負けじと片っ端から読む。

この連鎖において必ずやドイツ哲学にブチアタリ、

いっぱしの哲学研究家気取りの自己を形成する。

ところが、この優れた歴史ある作品に感服しまたもや更なる名士達が名を連ね、

果てしない連鎖を再び巻き起こし、

デカルトの我思う故に我あり、ニーチェの超人説、ショーペンハウアーのスノビズム、

ゲーテ、カント、スピノザ、

我が本棚には薄茶色をベースとした赤や青帯の付いた岩波文庫が並びだす。

ひとたびこれらを読みつつおると、開高書籍の幅はさらに膨らみ、

日本人においては小林秀雄の哲学、岡潔の数学ありきの感覚論、そうそうたる優れた作品にぶち当たる。

ひとたび異なる方向新大陸に目を向ければ、孤独なソロー、その師エマソン、ヘミングウェイ、

またもや優れた作品にぶち当たる。

それではその前には何があったのか?

アリストテレス、孔子孟子、強いては日本書紀、創世記、ヨブ記、文学はどこまでも遡る。


完成度の高いもの、

すなわちあらゆる経験を通じて高みを目指した結果におけるもの、

これらは我が人生においてモヤモヤとして感じているものの言葉にできない部分を表現しきっている。

我が感覚、思考がそのモヤモヤすら感じられぬ場合、それらを読んだとしても

全くつまらないものであったはずである。

ということは、

我が釣り道においてストイック的思考の結果的感覚が

それらと、モヤモヤとでもリンクしていると考えれば、

開高文学の虜、あるいは中毒的な世界の発展系は、

突き詰める価値のあるものであった、あるいはまだまだ深化するものであると言える。


秋の夜長に読むべき、経験すべき文章、

これらは、

我が知性に大きく働き、深化を手助け、あるいは先人の悟りと我が回答の答え合わせ的に作用し、

ストイック的な釣り人の内面深化における喜びを倍増させるものである。


我思う、

釣りはヘラにはじまり、ヘラに終わる。

読書は開高にはじまり、開高に終わる。


[PR]
by rakkyouh | 2013-11-19 23:55 | トラウト

カンツリ修行

いざ巨大鱒カンツリへ。
f0167000_20552209.jpg
開始数投で太腿程の太さのある一匹が掛かる。
通常、我輩の腕では一日やって3、4匹だから、とても幸先がよく、
心に驚く程の余裕が生まれる!

色々なルアーを試す。
場所は広大で5gを全力遠投できるが、
過去の経験上、遠投では着水時のリアクションでしか、かからない。
30回投げて1回あるかないか、あるいはもっと希有である。
しかもその後、はるか遠くから巻いてくるのが面倒なのである。
このサイズのスプーンでは、巻いてきてもほとんど釣れたことがない。
なのでスプーンはチビッコを使って手前で釣る。
1gで表層、カケアガリを狙う。
着水後に巻き始め、すぐにアタル。
カケアガリと着水点の間に数メートルの釣れないゾーンがある。
これは本栖湖でも同じ現象がある。

一方、深いところはどうやっても魚の釣り方がわからない。
他のカンツリでは底引きなどをすれば釣れるが、
ここではごく稀にしか釣れたことがない。やらないゾーンに認定済み。

1g手法もたまにアタルだけで、すぐに無反応になる。
すいていれば、直角コーナーを利用し、曲がった先のカケアガリに向かって投げて、
おいしいところを2回利用することが出来る。

ここで、キャスティングの売れ残りコーナーで100円で購入した変わり種を使う。
スプーンもすぐにアタリがなくなり、
クランクも全く無反応である。
せっかくだからと100円を使ってみると一匹かかる。

その後、波がおさまると、目の前15メートルほどのところに魚が多く浮いている。
せっかくだから100円を投げてみると、追いかけてきて反転する数が半端でなく、
すぐにかかる。
毎度毎度、驚く程追いかけてくる。
すぐにかかる。
ものすごく釣れる。
試しにスプーンを投げてみると、飽きている。
再度100円を投げると、
すぐにかかる。
色違いがあったので試してみたが、
無反応である。
結局、この100円の1色のみがものすごい効果を発揮した。

1日を通して釣れる。
スレルことがなかった。

あまりに釣れたので
上手い人からすると、イワユル卑怯な道具なのかも知れない。
ルール違反でないので
その辺のコダワリは我輩、特にもたぬため、
切られたりしないよう気をつけて使う。
f0167000_20555551.jpg
結果、驚きの21匹!
しかも全てが50オーバーであり、
50付近のものはものの数秒で網にすくえるが、
70オーバーの物凄い奴らは1分以上かかる。

本日、過去最高の満足度。
しかし、
経験上、
季節やコンディションが刻々と変わる為、
同じ手が再度通用する気が全くしない。
これもここの面白い所である。


さ、次は秋味!

f0167000_20562970.jpg

[PR]
by rakkyouh | 2013-11-11 21:04 | トラウト

秋本栖

鬱屈デ暗ヒ驟雨ノ中ヲ
湖畔ヘトエイサエイサト馳セ参ズレバ
周囲ジワリジワリト明度増スルニ従ヒ
富士ヤマカラノ風ビュウビュウト強ク
前夜二思ヒ描イタ心地ヨヒ早朝ノ情景モ吹飛ビ
大波立ツ湖面二向ヒ
イザ大鱒ヲ引キ出サント疑似餌ヲ投入ス。

早朝ノ麦酒ヲススリツツ
頃合ヒデアロウト思ワレタ
早朝七時モトウニ過ギ去ルニ
魚信ノヒトツモ現レルコトナキ故
ツヒニ
我ガ8米ノ長竿ヲ
ヨイサヨイサト伸バシツツ
蛍光ノ浮子ヲ取付ケナガラ
エイト針先二
イクラヲ装填ス。

疑似餌ニテ得ラレル結果二対シ
餌釣リデノ結果ヲ比ブレバ
自ズトソノ実力ノ差ガ比較サレルト思ヒシニ
本日疑似餌ト餌トヲ持参ス。

浮子ハ波間デ揺レナガラ
我ハ何スルコトナク浮子ヲ見ツメシ在リ。
タバコナドフカスモ退屈セルニ
ヤレ疑似餌デモセントヒトタビ巻キクレバ
小サナ鱒ガ食ライツキ
我ボウズノ袈裟ヲ疑似餌ニテ脱ギ捨テル。

刻々ト時ガ過グルニ従ヒ
我モ足場ヲ変ヘツツ岬ノ先端へト到達スレバ
今度ハ浮子ガスイスイト
気ガツケバ3タビ鱒ヲ釣上ゲル
浮子ヲミツツ疑似餌ヲ投ズレバ
巻キ途中ニテ浮子ガ沈ム故
疑似餌ヲイソイソト放リツツ
長竿ニテ鱒ノ引キヲ味ワウ也。

気力途絶ヘ納竿ス。昼也。
結果
疑似餌ニテ鱒一尾
餌ニテ鱒三尾、ウグヒ一尾也

疑似餌ニテノミ釣行二訪レル折リ
鱒ノ存在ヲ否定スル我在リ。
否、
湖面ノ下ニハ数多ノ鱒在ルコト
本日ノ実験ニテ明白也。


増々ノ精進不可欠ナルコト明白也。
[PR]
by rakkyouh | 2013-10-22 23:12 | トラウト

精密釣行。

わが夏のホームリバー、日光湯川。

高地のため、気温が低い!どれくらいの高地かというと、
海抜0センチから、垂直方向にだいたい1.2kmジャンプしたところにある。
夏にはうってつけの涼しい川である。

また、辿り着くまでの景色も心地よい。
途中、いろは坂では移動時間短縮を目的としたスリリングなドライビングを楽しみ、
やがて中禅寺湖を左手に眺め、今年はもうここで血眼になる必要がないのだと安堵し脈を沈め、
さらにもうひと登り、戦場ヶ原の広大な景色を楽しむことができる。

さて、湯滝の駐車場に車を停め、準備する。
下流側から入るルートもあるが、
ルアーで釣る場合、ほぼ全域を歩いた結果、上流域が面白い。
なぜなら、倒木のキワキワを攻めねばならぬ、それはそれは精緻な釣りが出来るからだ。
数ある倒木の下にカワマスは潜んでいる。
しかもキャッチ&リリースであるから、ほぼ倒木の下100パーセントに潜んでいる。

いかにこれらを誘い出すか、
これにかかっている。
底ギリギリの領域にスプーンを沈め、
倒木と川底ギリギリの隙間で誘う。
あるいは、対岸の木の根の横を通過させ、誘い出す。
定位させて誘う方法は、どうやらスレているようである。

川底、倒木、このギリギリの間を狙う感覚が面白い!
使うのは3−5gくらいのスプーンで、
中禅寺のレイク同様、縦シェイクがよく効く。
流れにのせ、縦シェイク、
いい流れに入ったなと思えばその瞬間、水中でぎらりとカワマスの反転する姿が見える。

また、人が多く、魚が警戒して数あるポイントで全くでない場合がある。
このときは、誰も投げ入れたくないような複雑絡まりポイントへ突っ込む。
そうすれば、間違いなくカワマスは飛び出してくる。
しかし、木の枝に巻き付かれ、魚は逃げ、我がスプーンが枝に刺さる。
彼らは引きが強い。トルクのある潜り系の動きのため、ますます絡まる。
このとき、バーブレスを使用すれば、多少回収率があがる。
ココゾとピンポイントで投げ入れたマニアックなポイントから、
25cmくらいの鱒を引きずり出した瞬間、おおきな喜びが得られる。
漠然と流して釣れることもある。ただ、あくまで目の前の小さなポイントを狙って
誘い出すことがこの川の醍醐味だ。
対岸に、50センチだけスプーンを流せるような、小さなエグレタ場所がある。
20回くらい投げて、ようやく思うように流れたら、やっぱしいい魚が食い付いて来た。

このような、精密精緻な釣りが、ここでは面白い!
[PR]
by rakkyouh | 2012-08-18 00:14 | トラウト

おしまい。

”キャッチ&リリースでなんとか釣りを可能にしてくれた中禅寺漁協、感謝します。
 2ヶ月間と解禁期間は例年に対して短かったものの、
 4月末から6月頭が旬の岸釣りに於いては、
 ベストシーズンを選んで頂いたものと感じた次第であります”
f0167000_22353162.jpg

さて本日、今期最終アタック。
結果、ボウズ。。。。

途中目にしたもの、感じたこと。

○岸際で水面をバシャリとやる魚影、そのサイズは60以上、その場所は鯉もいるため、
 鱒だか何か判断が出来ず。周辺を探るも、反応なし。

○岸際を回遊する魚影。ブルーバックの何鱒か?30センチ。別の時間に、60センチ程度の何か。
 波が強く、シルエットしか見えず。いずれも単体にて。

○毎度、砂場での激しいウグイの産卵乱舞

○散らばっている稚魚が、まとまって回遊しているシーン。

○昼付近の、あるいは、風が吹いて時間が経った頃、
 湖底にも波が生じ、表層同様、岸際に向かってくる感覚。時間が経つと消える。
 ラインがカケアガリに穫られ、根がかりが多発するため。
 
などなど、
毎度この時期は難しく、毎年一匹かボウズかの出来高。
とにかく、今年も楽しませて頂きました。

f0167000_22355727.jpg

[PR]
by rakkyouh | 2012-06-29 22:37 | トラウト

釣りにおける感性

岡潔は、「数学は情緒である」と言いきった。
ダビンチはその手記において、その感性であらゆる地球科学を見抜いた。

何かを観察するにあたり、察する内容は観る者の目次第である。
例えば古代の人々が自然に関して深く察した内容が、
果たして今の我々に同等に感じれるのか。
科学が、自然の摂理から学びとった法則のほんの一握りであれば、
その科学に包まれた都市に於いては、一握りの中のさらに一握りの感覚しか得られない。

人の中心は情緒にある、
情緒さえしっかりしておれば、あらゆる自然の成り立ちを素直に受け入れることが出来る。
この、あらゆるモノに対して客観性を備えた自然な態度こそ、
彼らの保有した優れた感性ではあるまいか。

教育により、世の成り立ちを解きほぐした科学を知ったつもりではおれど、
実際に個の感性において地球のあらゆる現象と対峙しない限り、机上の空論で終わってしまう。
知識を誇れど、単なる覚えた言葉であれば、ウィキペディアで十分だ。

社会の中において、個の感性を押し出すべき状態は少ない。
効率をとれば、皆が教科書にある優れた方法で動いた方が事が早い。

しかし、この状態が続くのであれば、
個は消え失せ、その感性は効率のよいとされる手法によってかき消され、
大量生産の何かのように
人は物と化すのである。

しかし、我々釣り人においては、
社会のくだらない効率化から離れた、美しい湖や川において、
相手として対峙する美しい鱒が存在する。

鱒に近づくには、
我々は自然の摂理を意識せずとも紐解きはじめ、
個の感性において、意識せずともその情緒をブンブンと働かせ、
このタフな釣果はどうしたものかと、
シャカシャカと磨き上げているのである。
[PR]
by rakkyouh | 2012-02-22 00:23 | トラウト


気品溢れる鱒族を求めて。自己満足型随筆集
以前の記事
2017年 04月
2016年 12月
2016年 02月
2015年 08月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 06月
2014年 04月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 04月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 06月
2008年 05月
お気に入りブログ
その他のジャンル
最新の記事
2017 中禅寺初詣
at 2017-04-03 22:08
新潟 荒川の鮭
at 2016-12-11 22:59
アシストフック美学
at 2016-02-20 19:20
過剰な道具と夏の終わりの中禅寺
at 2015-08-30 18:15
ALASKA
at 2015-08-16 17:49
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧